世界最高齢のプログラマーと呼ばれる86歳の若宮正子さん=東京=のモットーは「年寄りだってやればできる」だそうである。先日、白老町で地元青年会議所主催の講演を聞き、高齢になっても学び、挑み続ける姿に感銘を受けた。
81歳でシニア向けスマートフォン・ゲームアプリを開発し、世界から注目を集めた若宮さんがパソコンを初めて手にしたのは58歳の時。長年勤めた銀行の定年退職を前に独学で操作を習得した。人と接する機会が減る定年後、インターネット通信で友達をつくるためだった。それが人生を変えた。持ち前の向学心でIT(情報通信)知識を深め、ネット上の老人クラブ創設に参画。70歳を過ぎてから、表計算ソフトを使ったアート作品「エクセルアート」も生み出した。今は国のデジタル社会構想会議メンバーとして海外IT事情の視察に飛び回り、高齢者へのデジタル普及に努めている。
何と意欲的に生きる女性だろう。そのパワーの源泉は学び続ける姿勢にある。年を取るのはマイナスではない。豊富な経験と知恵を持つ高齢者だからこそ、身に付けた新たな知識を発酵、熟成させて人々に還元できるはず―。生涯学習団体にも関わる若宮さんの主張だ。
シニア世代は豊かな社会の創造を担う宝の人材。そう捉えれば、ネガティブに語られがちの高齢社会は全く違う景色になる。人生100年時代、誰もがいつでも学べる機会を提供する環境の広がりを望みたい。(下)









