よく見る民放のニュース番組の昨夜のテーマは「勝者は誰だったのか」。総選挙は若手の躍進や世代交代はあったものの、自民党も野党第一党の立憲民主党も議席減。
岸田首相はきのう早朝に国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)出席のためイギリスへ出発。日本時間のきのう夜に首脳演説をこなした。一方、立憲民主の枝野代表はきのう辞意を表明し、年内にも代表選挙を行うという。また選挙準備の日が続く。議席を4倍近くに伸ばした維新は早速、「来年の参院選と同時に憲法改正の国民投票を」とぶち上げた。
気候変動対策は待ったなし。熱波、干ばつ、豪雨の被害は世界に広がり、日本も例外ではない。首脳演説で首相は再生可能エネルギーへの転換方針を示したものの、ドイツやイギリスのように石炭火発の廃止には触れず途上国への支援拡大を打ち出すにとどめた。他の締約国の理解を得られるのかどうか。外遊と言うには厳しい旅が続く。
北からは有害プランクトンによる赤潮が北海道の太平洋岸に勢力を広げ、サケやウニを殺しながら日高から胆振に迫る。南の火山島が噴き出した軽石は沖縄経由で本州への接岸をうかがう。収束と言い切れぬ新型コロナウイルス感染は第6波の可能性を秘めて漂う。日本海に向けては北朝鮮のミサイル発射実験が続く。原油価格高騰はどこまで行くのか―。政治にも国会にも休息はない。一有権者としても考える。誰の勝利か。(水)









