きのうは雨上がりの朝となり、鳴き声がする方向の空にハクチョウの群れが飛んでいた。数十羽の編隊がV字を形づくり、先端の一羽の両翼側に仲間が羽を広げてまっしぐらの羽ばたきが美しい。
苫小牧の市街地に住んでいて、季節ごとに大群が上空を通過していく光景に出くわす。今ごろなら、本道より高緯度のロシアの領域にある大湿原で過ごしたハクチョウやカモ類が日本の本州方面で冬を過ごそうとやって来て南下する長旅。前任地の千歳には新興住宅街の道路一本先に農場の畑が広がる所があり、奥地に長都沼などの湿地帯が併存。多種類の野鳥が集う。
この時期は畑でオオハクチョウが羽を休め、落ち穂をついばむ。一度、様子を記事にしようと写真撮影に向かった際、地面に降りる一群、飛び立った別の群れが頭上を低空で交錯。「乱舞」のような状況で、ラッパの音色に似た鳴き声が大きく響いた。ばさっ、ばさっと宙をかく羽音が聞こえ、「鳥のにおい」が漂うのも分かった。当地と北の繁殖地の間で一説に3000キロにも及ぶ旅を繰り返す大自然の使者たちの姿に見とれた。
苫小牧市美術博物館で企画展「ラムサール条約登録30年 ウトナイ湖 うつりゆく自然とその未来」が開かれている。湖で確認された鳥類の剝製が入場口で出迎える展示が興味深い。本紙社会面では学芸員の寄稿による関連連載企画もきのうから始まり、近傍の水辺の貴重さを知る上での手掛かりは多い。(谷)









