苫小牧市が今年度上半期(4~9月)に受けたドメスティックバイオレンス(DV)の相談件数(延べ件数)は、前年同期比2・5倍の461件だった。4月に庁内に配偶者暴力相談支援センターを立ち上げ、相談体制が充実したことが主因とみられ、すでに昨年1年間の件数を上回っている。中には何年にもわたって暴力を受け続けている深刻なケースもあり、担当者は「被害が潜在化しているのでは」と危機感を募らせる。12~25日は、内閣府の「女性に対する暴力をなくす運動」期間―。
市のまとめによると、上半期の延べ相談件数は2016年度130件、17年度150件、18年度183年度、19年度136件、20年度185件とこの5年間は100件台で推移していた。
今年4月からは、こども支援課に代わり、市協働・男女平等参画室が運営する市配偶者暴力相談支援センター(配暴センター)がDV相談を担当。専任の相談員を1人増員して2人体制としたことで9月末までの半年間に、20年度の年間407件を54件上回る相談が寄せられた。
担当者は配暴センター開設で市のDV相談窓口が広く認知され、長年、被害に苦しんできた市民に積極的に利用されたことなどが件数を押し上げた要因とみている。被害者の大半が高齢や心身の不調など複合的な問題を抱えており、繰り返し相談を寄せる人も少なくなかったという。
同室の宮嶋紀子室長は「深刻な暴力を受けているにもかかわらず、『これくらいは我慢しなければ』と耐えてきた被害者もいる」と指摘。「どんな理由でも暴力は絶対に許さないという意識を、社会全体に広げることの大切さを痛感した」と話す。
一方、NPO法人ウィメンズ結が市内で運営するシェルターの上半期の利用者数も前年同期比8人増の18人。幼い子どもを連れて加害者から逃れてきた、若い世代の利用が目立ったという。
「女性に対する暴力をなくす運動」に合わせ、市内各所でさまざまな啓発事業が企画されている。
男女平等参画推進センターは、入居する市民活動センターで啓発掲示を実施中。ロビーに運動のシンボルカラーである紫色の旗と児童虐待撲滅を訴えるオレンジの旗、性的少数者への尊厳を訴える虹色の旗を一緒に掲げている。
苫小牧信用金庫本店(表町)やふれんどビル(同)、緑ケ丘公園展望台(高丘)、正光寺(高砂町)は期間中の夜間、紫色にライトアップする。
27日午後1時半から、市民活動センターでモラルハラスメントをテーマとした人権講演会も計画。市男女平等参画推進センターとウィメンズ結の共催で、言葉の暴力や人格否定といったモラハラの実態を被害者支援に携わってきた弁護士から学ぶ。参加無料、定員50人(先着順)。
問い合わせ、申し込みは同センター 電話0144(32)3544。
















