女傑

女傑

 「Giant upset!」

 6日に開かれたアメリカ競馬の祭典ブリーダーズカップの2レースでノーザンファーム(安平町)生産の牝馬2頭が優勝したが、このうちダート1800メートルの「ディスタフ」でマルシュロレーヌが見せた激走に現地の実況アナウンサーはそう絶叫した。upsetは怒りや動揺を表す形容詞だが、名詞で番狂わせの意味もある。日本から来た国際グレード競争未勝利馬は、11頭立て9番人気。前走は門別の地方重賞で、最後の直線入り口で先頭に立ったときは、「うそだろ」と自分の目を疑った。

 一般紙ではあまり大きなニュースになっていないが、日本調教馬が本場アメリカのダートGIを制したことに多くの競馬ファンが「こんな日が来るとは」と驚き、フランスの凱旋門賞優勝に匹敵する歴史的快挙と報じた専門紙もある。父がオルフェーヴル、祖父はステイゴールド。競馬はブラッドスポーツといわれるが、良血統の馬はやはり強い。日本の母系血統で勝った点も誇らしい。

 そんな中、日本中央競馬会(JRA)史上最少体重優勝記録を持つ牝馬メロディーレーン(新ひだか町の岡田スタッドの生産馬)が、来年2月に海外遠征を計画しているとのニュースも飛び込んできた。女傑の躍動が止まらない。開幕まで3カ月を切った北京五輪での日胆出身アスリートの活躍はもちろん楽しみだが、こちらの地元勢からも目が離せない。(輝)

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