自動車部品製造業の道内最大手、苫小牧市勇払のトヨタ自動車北海道(北條康夫社長)が二酸化炭素(CO2)削減の取り組みを加速させている。新たにコンプレッサーの廃熱を工場の暖房に利用できるようにし、今冬からCO2削減効果などを検証する。トヨタグループ全体でカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出ゼロ)の2035年達成を目標にする中、同社も従来計画の前倒しを視野に入れ、省エネ導入や技術革新を続けている。
熱回収ターボ冷凍機(ヒートポンプ)1台を今年3月に新設(事業費は非公表)。機械の動作に必要な圧縮空気を作り出すコンプレッサーの廃熱を、工場の空調に循環させる温水の加熱に使う。これまでコンプレッサーで使用するエネルギーの95%は廃熱として捨てた上、燃料を使って工場を温めていたが、冷凍機導入で廃熱の約6割を利活用できる。CO2削減効果は年間1377トンの見込みで、今冬に廃熱回収効率やCO2削減効果を確認する。
同社のCO2排出量は、06年度の13万3000トンをピークに減少傾向にある。天然ガス燃料のコージェネレーション導入、生産工程で使う熱源のスチームレス化、LED(発光ダイオード)照明の導入など、最新の省エネ・新エネ技術から業務改善まで大小さまざまに展開。3月から敷地内で最大2メガワット時の太陽光発電も稼働している。CO2削減はコージェネが年間2万1000トン、太陽光発電が同1600トンなど効果を上げ、CO2実質ゼロを目指してきた。
一方、同社は20年度、売上高が3年連続で過去最高を更新するなど、部品製造は基調右肩上がりで、CO2排出量もその分増加。19年度のCO2排出量約8万8000トンに対し、20年度は同約9万1000トンと微増した。同社は当初計画でCO2を30年度までに13年比35%、約6万5000トンの削減を目標としてきたが、親会社のトヨタ自動車(愛知県)が6月、目標を前倒しするカーボンニュートラル35年達成を掲げた。
同社も「オールトヨタで目標達成時期を早めたことで、当社の目標値も見直す」と説明。自動車業界が百年に一度の大変革期を迎えたことを踏まえ、今年度から従業員約30人の新組織「アドバンスドBCD企画推進室」を立ち上げ、この中でカーボンニュートラルにも力を入れる。再エネの導入拡大も検討中だが「課題も多い」とし「市や地域企業と連携しながら解決し、苫小牧のゼロカーボンシティ達成に貢献したい」と意気込んでいる。
















