ニッカ余市蒸留所 旧三井銀小樽支店 国重要文化財に 歴史的価値の高さ評価 文化審議会答申

ニッカウヰスキー余市蒸留所施設=余市町提供

 国の文化審議会(佐藤信会長)は19日、後志管内余市町のニッカウヰスキー余市蒸留所施設10棟と小樽市の旧三井銀行小樽支店の本館、付属家の2棟を重要文化財(建造物)に指定すると文部科学相に答申した。同日開催の同審議会文化財分科会で審議・議決した。

 ニッカウヰスキー余市蒸留所施設は、昭和10(1935)年代に竹鶴政孝が創業した施設。原材料の仕込みから発酵、蒸留、貯蔵まで、わが国最初期のウイスキー製造に関わる創業以来の一連の製造施設を残している。

 ヨーロッパ中世の城塞(じょうさい)をイメージさせる事務所棟の正門や赤いとんがり屋根と石造の外壁の乾燥塔、貯蔵庫、ドイツ壁仕上げの木造洋館など、敷地内に分散する施設群を調和の取れた外観で整えていて歴史的価値が高い。所有者はニッカウヰスキー。

 旧三井銀行小樽支店は、同行が小樽色内地区の銀行街にいち早く店舗を設置した。金融集積地の契機をつくるなど歴史的に重要な役割を果たした。

 1927(昭和2)年建築の鉄骨鉄筋コンクリート造で金庫室や保護預庫(貸金庫)に鋼板を貼った防火防犯対策を充実。半円アーチと荒々しい仕上げの石張りはイタリアルネサンス期の洗練された意匠を復興した。

 実施図面などの建築設計図書が残っていることも貴重という。所有者は公益財団法人似鳥文化財団。

 余市町の齊藤啓輔町長は「この喜びと新しい誇りを胸に余市町として文化財の適切な保存と活用を図り、より多くの方々が余市蒸留所を訪れることを願っています」とのコメントを発表した。

 道内の重要文化財は33件となる。

 また、文化審議会は霧島連山・高千穂峰の霧島神宮(鹿児島県霧島市)を国宝に、ニッカウヰスキー余市蒸留所ほか建造物9件を重要文化財に指定するよう、文部科学相に答申した。

 霧島神宮は、神話にゆかりのある古社で、1715年に薩摩藩主の島津吉貴が再建した。龍の彫刻が巻き付いた「龍柱」など色鮮やかな装飾が特徴的。1989年に重要文化財に指定されている。

 このほか、建築家丹下健三氏の代表作の一つの香川県庁舎東館や、日本で初めての本格的な長大つり橋の若戸大橋(北九州市)も答申された。文化審議会の答申は次の通り。

 【国宝】

 霧島神宮(鹿児島県霧島市)

 【重要文化財】

 旧三井銀行小樽支店(小樽市)▽ニッカウヰスキー余市蒸留所施設(余市町)▽上野家住宅(山梨県山梨市)▽京都ハリストス正教会(京都市)▽江埼灯台(兵庫県淡路市)▽美保関灯台(松江市)▽出雲日御碕灯台(島根県出雲市)▽香川県庁舎旧本館および東館(高松市)▽若戸大橋(北九州市)▽鹿児島神宮(鹿児島県霧島市)

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