燃料価格

燃料価格

 今冬の灯油・ガソリン価格の高騰にうんざりしている。最需要期を迎えての値上がりだけに生活防衛策にも限りがある。当面は衣類の重ね着や車での遠方出控えぐらいしかないのか。同じ考えの人が多くなれば、当然、地域経済に与える影響も少なくない。

 道消費者協会が調査した11月の道内の灯油価格の平均は1リットル当たり108円。前年同月に比べて30円ほど高く、この状況が続けば今冬の平均世帯の負担増は2万1000円と試算する。これにガソリンの高騰が追い打ちをかける。道内平均価格は1リットル当たり167円で前年比35円ほど高く、14年8月に匹敵する高水準だ。

 原因は、原油価格の高騰にある。コロナ感染症が一段落し世界経済が急速な回復傾向となり、産油国の供給が追い付いていないためだ。世界経済の停滞を懸念する各国が増産を強く求めるも、産油国側は「感染症の影響が不透明」との理由で慎重な姿勢を崩していない。

 日本はガソリン価格が一定水準を超えた場合、価格安定のため石油元売りに補助金を出す制度を決めた。さらに米国の要請を受ける形で備蓄石油の協調放出を決定。世界主要消費国も同調し、産油国への増産圧力をかける形となった。

 日本の備蓄石油の放出は極めて異例。原油増産の「蛇口」は産油国側が握るだけに、政治的思惑も見え隠れする協調放出にどう反応するのか。石油をめぐる動きに目が離せない。(教)

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