苫小牧市内で幼児、小学生向け体操教室を展開するチアフルが20日、アブロス沼ノ端スポーツセンター=苫小牧市=で開講4年目を記念したイベント「オリンピアンといっしょ」を開いた。1988年ソウル五輪(韓国)体操男子団体総合で銅メダルを獲得した佐藤寿治さん(52)=大阪体育大体操競技部男子特別強化コーチ、学校法人浪商学園トップスポーツクラブ職員=が特別講師として来場。同クラブの会員107人と楽しい交流のひとときを過ごした。
大阪府出身で長く日本の体操界をけん引してきた佐藤さん。第1回東アジア大会(1993年、中国上海)など各種大会で共に体操日本代表だったチアフルの小堀由貴指導責任者との縁で、今イベントに足を運んだ。スモークサーモン製造販売の王子サーモンが協力した。
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、イベントは5回に分けて実施。指導側は全員マスクを着用した他、参加者や保護者は健康観察シートを提出、使用器具の消毒も徹底された。
佐藤さんは主に跳び箱を使った台上前転の指導、補助に従事。子供たちが次々と技に挑戦し、両手を広げて格好良く着地を決めると「上手だね」と笑顔でハイタッチを求めながら頑張りをたたえた。横山彪人君(8)=ウトナイ小2年=は「(佐藤さんは)優しい人だった。技がうまくできて楽しかった」と満足した表情を見せた。
浪商学園(大阪府)が手掛ける子供向け体育教室トップスポーツクラブでも指導に従事する佐藤さんは、「苫小牧の子供たちは本当に元気いっぱい」と目を細める。2018年に開講し、現在は140人以上の会員数を誇るチアフルの活動については「単に教えるという立場ではなく、子供の目線に立った一体感がある」と感銘を受けた様子。「このクラブから将来体操選手が生まれて、私がコーチングできたとしたらうれしいですね」と期待した。
小堀指導責任者は「佐藤さんから子供たちに元気をもらったと言っていただいたことが、何よりもうれしかった。これからも苫小牧や近郊地域に夢を与えられるようなイベントを考えていきたい」と語った。
―プロフィル
佐藤寿治(さとう・としはる) 1969年、大阪府出身。6歳から地域の体操教室に通い、市立船橋高(千葉市)―日大と体操競技の名門に進学。大学2年生だった88年のソウル五輪で体操男子団体総合の銅メダルを獲得。同年の全日本体操競技選手権では当時最年少で個人総合優勝に輝いた。その後も国内外の大会で活躍し、98年に引退。コナミスポーツ体操競技部などで後進の指導に励み、内村航平(32)=ジョイカル=ら男子日本代表選手を数々輩出した。2019年から大阪体育大体操競技部男子特別強化コーチ。




















