北海道開発局は24日、平取町芽生地区で建設を進めてきた平取ダムで堤体、基礎地盤と貯水池周辺の安全性を確認する試験湛水(たんすい)を開始した。年度内に終了し、問題がなければ来年4月にも供用を開始する。政府によるダムの必要性の再検討や2度の豪雨災害による河川整備計画の変更、事業の一時凍結といった不測の事態に直面し遅れてきた沙流川総合開発事業は、調査着手から約半世紀を経て完了する。
平取ダムは沙流川支流の額平川と宿主別川の合流地点に建設された。普段は平穏な沙流川は、いったん豪雨に見舞われると暴れ川に急変。下流の日高、平取両町は国に対して平取ダムの必要性を訴えてきた。
管理棟で行われた湛水式には関係者ら25人が出席。ダムの利水者で来賓の遠藤桂一平取町長は「ダムは流域の安全安心な暮らしに貢献する。幾多の曲折があったがここまでこぎ着け感謝したい」、大鷹千秋日高町長は「沙流川の治水能力が大きく向上する」とあいさつ。両町長ら関係者代表5人が放流ゲートの閉塞(へいそく)ボタンを押し、湛水が開始された。
室蘭開発建設部沙流川ダム建設事業所の田代隆志所長は「一日も早くダムを完成させ地域の安全、安心を目指したい思いが強くあった。ようやく完成にこぎ着け安堵(あんど)している。来年の夏、大雨が降ったとしても災害を止められると思う」と話した。
同ダムは高さ55メートル、総貯水量4580万立方メートルの重力式コンクリートダム。洪水防止や日高、平取の流域2町の水道水確保のための多目的ダム。沙流川下流域にある二風谷ダム(1998年完成)とセットで同開発事業として建設が進められた。事業費は総額1410億円、うち平取ダムは670億円。



















