東京五輪にメディカルスタッフとして参加した苫小牧市在住の元自転車競技選手で、作業療法士の資格を持つ木賊(とくさ)弘明さん(41)=白老町職員=が11月27日、恵庭市の北海道文教大で講演した。「オリンピックと作業療法士 アスリートを支えるメディカルスタッフ」と題して、学生ら聴講者約50人に世界的スポーツの祭典での経験を熱く語った。
五輪参加時に支給されたスタッフ用の衣服を身にまとい登場した木賊さん。自転車競技選手として計10回の国民体育大会出場を果たした自身の略歴などを説明後、五輪会場で撮影した写真や動画をスクリーン上に映しながら活動の様子を紹介した。
木賊さんは7月25日~8月1日まで、自転車競技BMX2種目のメディカルスタッフとして従事。毎朝起伏の激しいコース内で救護訓練、炎天下の現場、負傷選手への応急処置など身ぶり手ぶりを交え解説。「決して楽しめたとは言えない」と緊迫した日々だったことを明かしながら、競技者時代から夢見た舞台に立つことができた喜びを伝えた。
講演会を企画した文教大人間科学部作業療法学科講師の村上優衣博士は、木賊さんと共に作業療法士としてBMXのメディカルスタッフに参加していた。「木賊さんの経験談は、学生たちの将来の選択肢を広げるきっかけになった」と感謝した。
初の講演会に臨んだ木賊さんは「自分自身の視野も広がる経験になった。作業療法士でもスポーツに関わる道がたくさんあることを知ってもらえたら」と期待した。

















