苫工定時制が実習で古代の技法「たたら製鉄」に挑戦 、「想像の何十倍も難しい」

苫工定時制が実習で古代の技法「たたら製鉄」に挑戦 、「想像の何十倍も難しい」
今回の実習で取り出した約4キロの鋼を手に持つ生徒たち

 苫小牧工業高校定時制の4年生が、砂鉄から鉄の塊を作る日本古代の製鉄法「たたら製鉄」の実習に取り組んだ。2015年に課題研究授業の一環として取り入れ、今年で5年目。例年は1度きりだが、今年はれんがの炉と鋼缶で計2回挑戦した。結果は成功と失敗が1回ずつに終わり、生徒たちは鉄作りの難しさを実感した。

 たたらは、れんがの炉に石灰を混ぜた砂鉄、木炭を入れて風を送りながら熱し、日本刀の素材などに使用される和鋼(わこう)を作り出す製鉄法。炉内の燃焼反応や還元力などで、砂鉄から不純物を取り除いて鉄を作る。 

 同校は4年生の授業にたたら製鉄を盛り込んでおり、今年は5人が参加。10月から準備を開始し、炉で熱する木炭を小さく切ったり、砂鉄と砂を選別したりしてきた。

 実習は11月5日と19日に実施。共に日高町富川産の砂鉄と白老町産の木炭を使用し、5日はれんがの炉、19日は鋼缶を六つ積み重ねた簡易的な炉で実験した。実習担当の柴野希生(まれお)教諭(40)は、れんがより、取り壊しの容易な鋼缶の準備を昨年から進めてきたといい、「生徒と実験するのは初めて」と明かした。

 両日とも正午~午後6時半、10分ごとに砂鉄と木炭を交互に投入した。鉧(けら)と呼ばれる真っ赤に燃える鉄の塊を、砂鉄の使用量の2割取り出すことができれば成功と言われる中、1回目は26キロの砂鉄から約8・9キロ取り出すことができ、4キロの和鋼を得た。一方、2回目は28キロ使ったが約2・5キロの鉧にとどまり、不純物などがほとんどだった。

 柴野教諭は「気温や湿度、風の入れ方などいろんな条件が必要。成功と失敗、両方体験できて良かった」と話す。板垣謙典さん(18)は「想像の何十倍も難しかった」と語り、寺谷優斗さん(18)も「砂と砂鉄の選別準備で指の皮がむけるほど。物作りの大変さを学べた」と振り返った。

 今後はプレゼンテーション資料を作る作業に入り、来年1月24日の課題研究発表会に臨む予定だ。

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