苫小牧南高校卓球部に所属する渡邉柊(2年)と小林奏(同)が、二人三脚で日々の練習に励んでいる。今年6月の大会を最後に引退した3年生や同部卒業生の胸を借りながら、集大成の来季に向けて技量向上に余念がない。渡邉は「もっと強くなって、来年の全道大会切符を必ず勝ち取りたい」と意気込みを語った。
2017年から3年連続で道選抜大会団体戦の男女アベック出場を果たすなどかつては20人以上の部員が在籍していた苫南だが、6月の高校総体道予選を最後に3年生6人が引退し一時部員は渡邉1人になった。
「一緒に卓球しよう」と地道な勧誘に手を挙げたのが卓球未経験者の小林。同じ沼ノ端中に通っていた間柄で、共通の友人もいたことから意気投合した。小林は「卓球にはもともと興味があった」と言う。渡邉は「入部してくれたときは本当にうれしかった」と振り返った。
渡邉や小玉恭史、山岡景寛両顧問が指導役となり、小林は短期間でめきめきと成長。新型コロナウイルスが落ち着いた10月ごろからは、進路にめどが立った3年生や現状を聞き付けた歴代のOB、OGが母校を訪ね胸を貸してくれた。
11月に挑んだ北海道選抜大会苫小牧ブロック大会では、ダブルス戦こそ初戦敗退も意地の1セットを奪取。シングルスでは渡邉が2大会連続のベスト16入り。渡邉は「たくさんの人が支えてくれたおかげで、2人だけじゃないと寂しく思わず頑張ることができた」。小林は「まだまだできないことばかりだけど、いろんな人からアドバイスをもらえてうれしかった」と感謝した。
冬期間で個人の技量向上に努めながら、来年4月入学の1年生に卓球仲間がいることを期待する。渡邉は「みんなの応援を背にプレーできる団体戦が好き。何とか人数をそろえて小林にも味わってほしい」と言う。小玉顧問は「心折れずに一生懸命頑張ってくれている。どんな困難にも立ち向かって、最後には乗り越えられるようになってほしい」と願った。

















