日本製紙(東京)は、相浦機械(長崎県)と日本郵船(東京)両社と共同で、木材チップの荷揚げ作業に当たるクレーンに自動荷役システムの導入を目指している。クレーン運転者の負担軽減が目的で、8月下旬に苫小牧港で木材チップ専用船向けクレーンで自動運転装置の試験を実施。7割程度の自動荷役が可能と確認した。
日本製紙によると、3社の協力の背景には、クレーン運転者の過酷な労働環境の改善という共通課題があった。通常、木材チップは専用船に設置されたクレーンで荷揚げするが、船の乗組員ではなく、陸上から派遣された運転者が荷役作業をする。すべての貨物を荷揚げする場合、運転者が昼夜交代で約3日間かかることもあるという。
今回の試験では、クレーンの運転室内に自動運転操作盤を付け、運転者が定められた数種類の定型荷役動作を選択することで自動荷揚げ作業を行うこととした。木材チップをつかむグラブに三つのセンサーを装着し、貨物の表面を検知した後、信号をクレーンに無線送信して動かす仕組み。
試験では、約4時間の荷揚げ作業を自動運転で行うことができ、貨物の7割程度の自動荷役が可能との結果が出た。立ち会った運転者からも「ボタンを押せば誰でも運転ができ、使いやすい」「自動運転でも安全に荷役ができた」と評価する声が聞かれた。
今後、相浦機械はクレーンの自動システムの製品化、日本郵船は技術開発に協力し、サプライチェーン全体の課題解決を目指す。クレーン運転者を手配する日本製紙は、各木材チップ船への自動荷役システムの導入を検討し、運転者の負荷軽減と作業環境の向上に取り組む考え。
















