2020年国勢調査の確定値が発表された。老いてやせていく北海道の姿をいろいろな角度から数字で示していて読み返すのがつらい。
北海道の総人口は522万4614人。前回15年調査より15万人以上も減り、都道府県別の減少数では最大。2010年には「550万道民」と覚えやすかったのに。道都・札幌とその近郊、新千歳空港のある千歳市など増加市町村も12あるが、9割以上の自治体は減少だ。後志管内ニセコ町、上川管内占冠村などが観光地として脚光を浴びているものの、周辺に大きなおこぼれがあるわけではない。
総人口のうち15歳未満は8・5%減の55万6500人。高齢者(65歳以上)は168万人で高齢化率は32・1%になった。高齢化率が50%を超えた自治体は前回調査ではゼロだったが今回は歌志内市や夕張市など5市町村が超えた。「道内で限界自治体化が進んでいることがうかがえる」との報道もあった。
通った炭鉱の小学校は、不況の時期を除けば教室の前後に隙間がなかった。教室の後ろに相撲のできる空き地が見え始めるとうれしかったものだ。そんな時代に育ったからか、人口減少や高齢化を考えようとしても、どうしても危機感が乏しい。
改めて市内の基幹病院の混み合った待合室を見回してみた。早朝から不便な交通機関を乗り継いでやって来て、長い待ち時間にじっと耐える高齢者の背中がたくさん見えた。老いて、やせていく北海道が見えた。(水)









