新型コロナウイルスの経済対策として、18歳以下に10万円相当を給付する国の臨時特別給付金事業。苫小牧市でも28日から現金5万円の先行給付が始まる。市内中心部で、生活保護を受けながら知的障害のある中学3年生の長男(14)を育てるひとり親の女性(44)は「来年春に控える高校進学の費用に充てたい。ばらまきとか言われているが、本当にありがたい」とかみしめるように語った。
女性は長男が生まれて半年後に離婚。高齢者介護や食品製造の仕事に就いていた時期もあったが、長男が成長するにつれ育児負担が増大した。特に、自宅から5キロほど離れた中学校の特別支援学級に通い始めてからは、乗用車もなく路線バスで朝夕の送り迎えが必要に。往復に2時間かかるため働くのが難しくなり、現在は生活保護で生計を立てている。
生活保護の受給額は月6万~9万円。長男の父親からの養育費や児童扶養手当などを足せば、月の生活費は多い時で19万円程度になる。親子2人で生活するには十分な額だが、長男の療育や札幌市内の医療機関受診のための交通費、滞在中の食事代などで月数万円の出費が生じる。女性は「いろいろ切り詰めて、ようやく日々の生活が維持できている。貯蓄はほとんどない」と話す。
来年春、長男は札幌の特別支援学校へ入学を予定しており、親子で引っ越す計画だ。制服代やジャージー、作業着などで10万円超の支払いが生じるほか、引っ越し費用も掛かるため、少なくても20万円の出費が見込まれる。生活保護で賄われるものも一部あるが、支払った額を申請した上で後日支給される仕組みのため、自身で費用を用意する必要がある。
貯蓄もなく、進学や引っ越し費用の工面に頭を悩ませてきた。給付金の支給に「少しだけ光が差したような気持ち」と表現する。22日、岩倉博文市長は今月の5万円に続き、残り5万円分も現金で来年1月14日に支給すると発表した。「これでようやく進学や引っ越しの具体的な計画を立てることができる」。女性はほっとした様子で語った。
















