数年に一度と言われる強い寒気の影響で苫小牧地方はクリスマス・イブの24日以降、最高気温が零下となる真冬日が続いている。25日から最低気温も4日連続でマイナス2桁台となり、朝晩の外出時には寒気が肌に突き刺さるようだ。ただ、ドカ雪に見舞われた日本海側の地域と比べると、出退勤時の道路の車の流れはスムーズで、「少雪」の苫小牧らしさも感じる。寒さはいったん緩み、大みそかにかけてもう一度強まるそうで防寒のための注意は怠れない。
政府の中央防災会議の作業部会が21日公表した日本・千島海溝沿いでマグニチュード(M)9クラスの地震が起きた場合の被害想定には衝撃を受けた。本道を中心とする千島海溝モデルで想定死者数が最大10万人。東北寄りの日本海溝モデルで最大19万9千人と試算する。10年前の東日本大震災の10倍を超える数だ。
また、道が6月に公表した千島海溝モデルでの津波の高さは苫小牧市で最大9・7メートル、むかわ町で同11・3メートルという。今回の作業部会の死者数は、建物倒壊による圧死のほか、津波が冬の夜に押し寄せた際の凍死や低体温症などを含めた最悪の事態を想定し、はじいたものだ。
この死者数をどのように最小限にできるか。国や自治体の対策には限りがあり、個々人の取り組みが最も重要になる。この寒気の中、もし大地震が発生したら。災害への備えを再度考え、身近な人の命を守りたい。(教)









