「もういくつねるとお正月」というように今年も残すところわずかになった。師走の押し詰まってきた頃を「数え日」という。去りゆく年を惜しむ思いと新しい年への期待を感じさせる言葉だ。大みそかには細く、長く生きられるようにとの思いを込めてそばを食べる風習が残っているが、読者の皆さんは除夜を過ごす準備は整っているのだろうか。
今年は一緒に過ごす家族の風景が昨年とは違う、と知人が声を弾ませていた。ちょうど一年前の新型コロナウイルスの新規感染者数は、北海道全体で常時3桁を記録していた。感染拡大を心配して帰省などを控えた人も多かったはず。それに比べると、今年は感染者数も落ち着き、久々にそろう家族に安堵(あんど)している、という。
生命保険会社が発表した世相を反映する創作四字熟語で「七菌八起(ななころなやおき)」が最優秀となった。第6波が来ても負けずに起き上がろうというエールの意味が込められている作品だ。感染力の強いオミクロン株の出現で思わず表情は曇るが、この一年で万能ではないものの、ワクチンなど幾つかの武器を持った。決して負けてはいられない。
先の見えないコロナ禍との闘いはマイナス思考になりがち。前向きになれる記事をどこまで届けられたのかは分からないが、来年は優しい寅(とら)を意味する「壬寅(みずのえとら)」。穏やかな気持ちで新たな年を迎える準備を進めたい。(昭)









