2021年も新型コロナウイルスの感染拡大で、国の緊急事態宣言の発令と解除が繰り返され、苫小牧の経済も大きな影響を受けた。一方、国のカーボンニュートラル(温室効果ガス排出ゼロ)の実現に向け、行政の議論が本格化する動きも見られた。苫小牧商工会議所の宮本知治会頭に今年の振り返りと、来年に向けた抱負や展望を聞いた。
―今年はどんな1年だったか。
「苫小牧市内は今年後半からコロナの感染者数が落ち着いてきたが、経済面を含めコロナ禍から脱却できていない。商工会議所の会員事業所は中小企業が多く、業績が良い所、そうでない所もある。夏以降、原油価格が高騰し、配送や物の値段、住宅向けの製材や食材などが相当値上がりし、厳しい環境になってきている」
―苫小牧の経済の現状と課題をどのように捉えているか。
「先人、先輩たちが港を造り、港湾工業都市、物流のまちとして発展してきた。基幹産業である紙パルプにおいても変化に対応している。大企業を主体に製造業が集積しており、道内の中では非常に恵まれた地域だ。懸念材料の一つとして、人口減少がある。企業誘致もなかなか進まない中、今のままでは生き残れない。次の世代につなげるため、行政は人口を減らさない施策を実施することが必要だ。カーボンニュートラルなど、次の一手を打たないといけない」
―JR苫小牧駅南口の旧商業施設「駅前プラザエガオ」の廃虚化が進む中、商工会議所の考えは。
「苫小牧市の中心部がいつまでもあのままでは良くない。課題もあるが、一日でも早く建物を壊し、更地にすれば関係者の考え方も変わるかもしれない。市が解決を目指すなら税金を使ってでも解体すべき。多額の費用が掛かるが、解体費は5~6年前に比べ2倍近くになっており、先延ばしにすれば高くなる一方だ。地権者と市の考えが変わらなければ、いつまでたっても解決できない」
―カーボンニュートラルについては。
「21年はカーボンニュートラル元年になった。実現すれば産業革命に匹敵するくらいのことになると思う。苫小牧はものづくり産業が多く、温室効果ガス削減の可能性が限りなく高い地域だ。大企業を中心に以前から地球温暖化防止に向け、始めている企業もあるが、排出ゼロには莫大(ばくだい)なコストが掛かり、国や行政の支援がないと対応が難しい面もある。国の予算や方向性が明確化した場合、商工会議所として要望活動にしっかり取り組みたい」
―2022年はどのような年になるか。
「コロナとの共存を図る時代になってもらいたい。企業によっては、これまでと別の事業に参入したり、需要のある分野で商品開発を行うなど生き残りを懸けている。商工会議所として、地場経済が活発化するような支援を続けたい。コロナ前の日常が戻り、明るい年になることを願っている」
















