第101回全国高校ラグビー大会は5日、大阪・花園ラグビー場で準決勝が行われ、国学院栃木(栃木)と東海大大阪仰星(大阪第2)が8日の決勝に進んだ。桐蔭学園(神奈川)の大会3連覇を阻止した国学院栃木は、県勢として初の決勝進出。東海大大阪仰星は4大会ぶり6度目の頂点を目指す。
国学院栃木は21―10で逃げ切った。2トライを奪うなど18―5で折り返すと、後半は堅守で相手の反撃をかわした。
東海大大阪仰星は東福岡(福岡)に42―22で快勝した。防御から流れを引き寄せ、前半28分のトライで逆転。主導権を渡さず、後半に4トライを加えた。
東海大大阪仰星は宿敵に快勝
昨年1月3日の準々決勝。東海大大阪仰星は東福岡と後半のロスタイムが18分に及ぶ激闘を繰り広げた末に引き分け、抽選の結果により、敗れることなく花園を去った。今年の準決勝はその宿敵が相手。ナンバー8の薄田主将が「気持ちが入っていた」と言うように選手たちの士気は高かった。
開始1分足らずで先制トライを許すなど、前半5分までに0―10とされたが、「想定通りだった」と薄田。持ち前の組織的な防御を徐々に発揮し、個々のタックルにも気迫がこもった。
前半28分にCTB野中がキックチャージからトライを挙げて逆転すると、後半はさらにタックルの鋭さが増す。ロック楠田を中心に次々と相手に突き刺さり、ボールを何度も奪取。それをトライにつなげ、終わってみれば20点差の快勝だった。
昨春の全国選抜大会でも東福岡に勝てず、接点での強さを磨くため、ウエートトレーニングの質にこだわってきた。その成果も示した格好。頂点までいよいよあと一つ。薄田は「僕たちを成長させてくれた特別な相手。東福岡の分も戦う」。ライバルの思いを背負い、高校日本一に挑む。
歴史塗り替える快進撃
勢いそのままに再び歴史を塗り替えた。国学院栃木が初めての準決勝で桐蔭学園の3連覇を阻止。1989年の創部からチームを率いる吉岡監督は「本当によくやった。夢のよう」と感慨に浸った。
磨きを掛けてきた組織的な防御を、この日も存分に発揮。1人目のタックルが外されても次々と仕掛け、個の力で上回る相手に簡単には突破を許さない。自陣ゴール前では粘り強く守り、ターンオーバーに成功。CTBの田中主将は「いつもの練習通りのプレーをした結果」と胸を張った。
高校日本代表候補は不在。その分、15人全員がハードワークする。密集に飛び込み、相手のボールを奪い取る「ジャッカル」はチームの武器。吉岡監督は「今年は全員ができる」と高く評価する。
2年生SOの伊藤龍を軸に、バックスの展開力とFWの突破力は十分。決勝では、過去5度優勝の東海大大阪仰星に挑む。田中は「持ち味のディフェンスを発揮して優勝したい」。栃木県勢初の悲願は、手の届くところまできている。

















