小林陵 際立つ飛躍 光る効率の良さ 原田さんが「技」絶賛 『金候補』に浮上 ジャンプ

小林陵 際立つ飛躍 光る効率の良さ 原田さんが「技」絶賛 
『金候補』に浮上 ジャンプ
ジジャンプ週間最終戦での小林陵侑の飛躍=6日、オーストリア・ビショフスホーフェン(AFP時事)

 【ビショフスホーフェン(オーストリア)時事】ノルディックスキーのジャンプ週間は6日、オーストリアのビショフスホーフェンで最終第4戦が行われ、小林陵侑(土屋ホーム)が3季ぶりに総合優勝を果たした。この日は5位にとどまり、史上初となる2度目の完全優勝(4戦全勝)は逃したが、日本選手初の2度目の制覇。目前となった2月の北京五輪へ向けて期待が膨らむ好調さだ。

 長野五輪団体金メダリストで全日本スキー連盟理事の原田雅彦さんは、小林陵の飛躍を「羽を広げて効率よく風を受け、舞い降りる感じ」と表現する。不利な追い風の影響を受けにくいスキー板の角度や体の角度を保っていると指摘。「飛び立ってからの技がいい」と言い、「力感なくさらっとやってのける」と絶賛した。

 スポーツバイオメカニクスを研究する北翔大の山本敬三教授は「踏み切りから飛行姿勢をつくるまでがすごく速い。その一瞬の抗力は大きくなるが、後半の浮力が大きい」と話す。踏み切り時に受ける空気抵抗を嫌がらず、素早く理想の飛行姿勢をつくることで空中でのスピードが増し、着地の前まで大きな浮力を得られているとの分析だ。

 小林陵は「ちょっとアプローチ(助走)に問題がある」と課題も挙げ、好調の上にあぐらをかくつもりはない。完成度の高いジャンプは今後も好成績につながりそうだ。

金候補に浮上、日本は4つ

 【ロンドン時事】米国の大手データ会社グレースノート社は、北京冬季五輪の開幕30日前に合わせて各国・地域のメダル獲得数予想を公表し、ノルディックスキー・ジャンプ男子の個人ラージヒルで小林陵侑(土屋ホーム)が金に挙げられた。今季のジャンプ週間で2度目の総合優勝を果たしたエースに、雪上競技の日本勢では1998年長野大会以来となる頂点への期待が集まっている。

 日本は金4、銀4、銅9の計17個との予想。小林陵は五輪開幕100日前は3位以内に含まれていなかったが、今季の好成績を受けて浮上した。金は他にスピードスケート女子1500メートルの高木美帆(日体大職)、スノーボードで男子ハーフパイプの戸塚優斗(ヨネックス)、女子ビッグエアの鬼塚雅(星野リゾート)。

 フィギュアスケートは、男子で3連覇を狙う羽生結弦(ANA)が銀、鍵山優真(オリエンタルバイオ)は銅。女子で全日本選手権を制した坂本花織(シスメックス)と団体は銅の予想。スピードスケート女子500メートルの小平奈緒(相沢病院)、ノルディックスキー・ジャンプ女子個人ノーマルヒルの高梨沙羅(クラレ)は銀となっている。

関連記事

最新記事

ランキング

一覧を見る

紙面ビューワー

紙面ビューワー画面

レッドイーグルス

一覧を見る