新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」の市中感染が道内でも確認され、予定通り開催できるか心配された各地の成人式。苫小牧市は無事に行われ、会場は出席した新成人の笑顔であふれた。
自分の成人式を振り返ると、式典の記憶は全くない。40年以上も前なので当然かもしれないが、終わった後に繰り出した飲み会が楽しかった覚えはある。ところが今は、久しぶりに友達と会えても会場では距離を取り、式典前後の会食は控えるよう求められる。若い世代を取り巻く環境の厳しさは、行事に限った話ではない。大学の授業がほとんどリモートで同級生と対面で話す機会がなかったり、アルバイトができず生活が苦しくなったりしている。
今年4月からは成人年齢が18歳に引き下げられ、部屋の賃貸契約やクレジットカードの作成が親の同意なしでできるようになる。進路の決定も自らの意思で行える。すでにある選挙の投票権も含め権利行使の幅が広がるのはメリットも大きいが、リスクもある。
人生百年時代を迎え、一生の時間が長くなる一方で、早く一人前になるようせかされているようにも感じられ、気の毒な気もする。が、当の若者にとっては昔と比べられても、ましてや同情されたところで何の足しにもならない。2022年度中にも65歳以上の割合が3割に達する見込みの超高齢社会が、若者たちを支えるためにできることは何か、考えたい。(吉)









