〈悲しめる心よ、落ち着いて悔ゆるのをやめよ。雪の後ろには太陽が照っている〉。19世紀の詩人、ロングフェローの言葉。カナダと国境を接する米国メイン州生まれで北国の人らしい卓見がこもる。
昨年末から年明けすぐにかけて新型コロナの感染状況は小康状態と踏まえ、小職は懐かしい人たちとの再会を1年前より少しだけ増やしてみた。新年には賀状交換などもあり、各人健在の近況報告がうれしかった。
50代半ばとなると、友や人生の先達たちからは直近の体調に関する感想を聞く機会が多くなった。昨年はダイエットに成功せり―と大学時代のゼミ仲間は自慢した。突然の病判明から手術を受けた人は居宅に戻って静養中。はがきには体力を取り戻して、趣味の庭いじりにまた丹精してみたいと記していた。
年末近くに無沙汰をわびて訪ねたある専門職業人のお宅では、本州で同業に就く息子さんが帰省中。父の背を見て育った40代がまだ現役の70代の働きぶりに「親父、すごいよ」。敬意がにじむ会話に心が洗われた。知人や友、身内の笑った顔や声が、やや時間のたった今も心に残る。暮れや正月にかけての「日常」のありがたみや小さな幸福を2年ぶりに確かめられた。
きょうは年中行事の鏡開き。誰しもの無病息災を祈りたい。コロナ禍はまた感染の拡大が続いて風雲急を告げているが、自ら可能な基本的「疾病対策」をできる限りこなして、またやって来るはずの春を待つ。(谷)









