行く末

行く末

 きのうの朝刊の道内紙1面に「道内暴風雪 4人死亡」の見出し。社会面には「除雪中・落雪 4人犠牲」。2本の見出しが表現した「北海道の今」が、悲しかった。

 停滞する低気圧の影響で道内各地で強い風が吹き、湿った雪がどかんと積もった13日、除雪や屋根の雪下ろし中の事故で、1人暮らしだった3人を含む高齢者4人が死亡した。報道された事故の概要は次の通りだ。

 上川管内愛別町で90歳の1人暮らしの無職男性が雪山と除雪機の間に挟まれているのを通行人が見つけた。空知管内奈井江町では1人暮らしの81歳の無職女性が自宅の集合住宅近くの雪に埋まっているのを知人らが見つけた。深川市では86歳の1人暮らしの女性が住宅の軒下で雪に埋まっているのを警察官が発見した。旭川市では酪農業の74歳が牛舎近くで雪に埋もれているのが家族に発見された。このほかに雪下ろし中の事故が2件あり男性2人がけがをした。

 空港やJRの欠航や運休の相次ぐ嵐の中で重たい雪と闘い、不覚を取った先輩たちの無念を思う。雪下ろしは1人ではしない。はしごをしっかりと固定する。ヘルメットをかぶる。携帯電話を身に付ける―。事故のたびに呼び掛けられるもののなかなか守られない。2人以上の人手があるなら、誰も苦労はしないということかもしれない。

 コロナからも遠い過疎と老いと孤独。北海道を覆って久しい課題。自分たちの行く末を考えながら記事を読み返した。(水)

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