高齢化率

高齢化率

 苫小牧市の65歳以上の高齢化率が間もなく30%に届くという。全道一若いまち千歳市の23%と比べると高水準に見えるが、苫小牧と人口が同程度の帯広市もほぼ同水準で、釧路市は既に30%を超えている。どのまちも高齢化に向き合う課題を抱えていることが分かる。

 どうしても高齢化という言葉には「負」のイメージがつきまとう。確かに飲む薬は増えていくし、回復力も遅い。覚えていたはずの人の名前をなかなか思い出せない。介護や医療に係るまちの予算は右肩上がりになることも避けられない。

 でも、悪いことばかりではないはずだ。長い経験や身に付けた技術、知見は代え難いものがある。地域でそれを生かす場面が少ないのは残念だが、四国の小さなまちで実践している事例がある。徳島県の上勝町は高齢化率が50%を超える人口約1700人のまち。ここでは、料理などに使う葉っぱや花を全国に出荷しており、町の一大産業になっている。

 その産業を担っているのが高齢者だ。タブレットなどIT(情報技術)を使いこなして生産管理までする。仕組みをつくった仕掛け人の存在は欠かせないが、高齢者のやる気を引き出しただけではなく、それをビジネスに結び付けた意義は大きい。地域に眠る高齢者の人材は多い。こうした人に仕事としての出番を与え、生き生きと生活する。モデルになる参考事例だ。(昭)

関連記事

最新記事

ランキング

一覧を見る

紙面ビューワー

紙面ビューワー画面

レッドイーグルス

一覧を見る