マンションのベランダから見る道端の雪山が日増しに高くなっていく。札幌はクリスマス以降、本当によく雪が降る。ほぼ毎日降り続けており、しかも寒い。〈今年の寒さは記録的なもの こごえてしまうよ 毎日吹雪 吹雪…〉。井上陽水さんの名曲「氷の世界」の詞のような風景が広がる。
そんな季節。道内でも新型コロナウイルスの感染が急拡大している。感染力が強い変異株「オミクロン株」が市中に広まり、そのスピードも従来とは異なりとても速い。15日の新規感染者数は前週の5倍の695人と過去3番目の多さに。過去最多だった727人(昨年5月21日)を更新し、4桁の1000人台も現実味を増している。
道内でコロナが初確認されたのは2020年1月28日。中国武漢市から来道した40代の中国人女性だった。まだ水際対策も甘く外国人観光客も来場していた「さっぽろ雪まつり」を端緒に、全国で最も早く北海道で感染が拡大。当時、鈴木直道知事は、前例のない人流を抑える対策の名称に迷っていた。「緊急事態宣言」と「非常事態宣言」の2案があり、悩んだ末に前者を選択。後者を選んでいれば、安倍政権(当時)の特措法に基づく対策の名称も「非常事態宣言」になっていたかもしれない。
あれから間もなく2年。道内では17日現在で延べ6万5272人が感染し、1477人が亡くなった。流行の波を繰り返し今は「第6波」が襲来中。収束の道筋は、なお見えない。(広)









