国連が海底火山の大規模噴火があった南太平洋・トンガ諸島の衛星写真を公開した。陸地の大部分が海没しており、「噴火前は東京ドーム61個分あった」という報道に衝撃を受けた。噴火から5日たっても滑走路に積もった火山灰の除去は完了せず、支援物資の輸送が難航。新型コロナウイルスの市中感染も懸念されている。火山島でマグマの噴出は本当に止まったのだろうか。
約8000キロ離れた場所での噴火が引き金となって、国内でも広範囲に津波警報や津波注意報が発表された。遠地津波の怖さを知ると同時に、災害はいつ起きるか分からないことを改めて実感させられた。
真冬の深夜、住んでいる地域に避難指示が出されていたら、混乱せず迅速に動けたか。逃げる場所は分かっているか。家族や知人の安否確認の方法は話し合っていたか。全国紙のアンケートによると、津波警報が出された岩手県沿岸部でも注意報段階で避難した人は少なく「テレビで様子を見てしまった」という声が目立ったという。
今回、苫小牧西港では30センチの津波が観測されたがさらに大きな後続波到達の懸念もあった。災害の直後はいつも緊張し万一のとき困らないように―と備えへの意識も高まるが喉元過ぎれば熱さを忘れ、防災は二の次になりがち。相談したり、助けを求めたりする暇もないほど急に危機が迫ったとき、いかにして自らの身を守るか。1000年に1度は突然やって来る。(輝)









