毎年感じるが、今年の1月は特に進み方が速い。新規感染者数が連日最多を更新すれば、日々も駆け足で過ぎる気分。はや大寒を過ぎ、箱根駅伝にくぎ付けになった正月から随分たった気がする。
その駅伝は今年も”泣き初め”になったのだが、競技開始直後はレースより選手を追走する大会本部車両に目が留まった。トヨタ自動車の「bZ4X」。スバルと共同開発しているバッテリー電気自動車(BEV)で、プロトタイプ車両がナンバーを付けて公道走行する様子に市販時期は近いと思い興奮した。トヨタのホームページを見ると「2022年 年央登場」のコピーが躍る。公開された航続距離はFF車で500キロ。満を持しての戦略車と言っていい。
年末年始はEVの話題が続いた。トヨタは12月、従来の目標を大胆に引き上げるBEV戦略を発表し、30年のBEV世界販売数を350万台に上方修正した。豊田章男社長が十数台の試作BEVを並べて表明した。さらに年明け、ソニーが今春のEV新会社設立を明らかにし、スポーツ用多目的車の試作車をお披露目した。世界では既にアップルやグーグルもEV開発を進めている。ソニーの本格参入の報道で「EV戦国時代」とぶち上げたメディアもある。
脱炭素や国の産業戦略で世界はEVへ急速にシフトする。何が正解かは分からないが、ものづくりを先導してきた日本の自動車産業が急激な構造変化に対応することを信じたい。(司)









