献身プレーでチーム鼓舞〔メダルに挑む 苫小牧スマイル③〕―DF 志賀 葵、DF 鈴木 世奈

ハードワークを武器に3度目の五輪に挑む鈴木

 アイスホッケー女子日本代表(スマイルジャパン)は、高い守備力と守りから速い攻撃への転換(トランジション)を武器にしてきた。鈴木世奈と志賀葵の両DFは日本の堅守を支えている主力だ。

    ◇  ◇
 鈴木は苫小牧出身。岩倉ペリグリン(当時)やSEIBUプリンセスラビッツなどの国内チームだけでなく、カナダやスウェーデンのチームを渡り歩いた。
 1対1やゴール前でのバトルでは強豪国との差を認識している。「昨年の世界選手権の米国戦では、米国選手のパックへの執着心の高さを感じた。日本ももっと貪欲にならなければ」と気を引き締める。
 年齢は30代に突入し、DFの中では最年長になった。国内外で培ってきた豊富な経験とスキルでDF陣を引っ張る。「守りの時間を短くして、前につなぐ動きができればいい。体を張ったプレーも意識してチームに勢いを与えたい」
 持ち味の足を使ったハードワークや身長167センチの体格は海外勢に引けを取らない。「体力面も1年1年積み上げてきたので落ちたという感覚はない。3回目の五輪もチャレンジャーの気持ちで挑む」と熱い。
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 志賀葵は妹の紅音とともに第1セットに組み込まれる主力選手に成長を遂げた。
 飯塚監督は代表に選出されるようになった2017年ごろの志賀姉妹に「体力のない2人」と印象を持った。そこからの成長は現在の主力セットに組まれる2人への評価の裏付けとなっている。「2人とも負けん気があるし、体力やフィジカルは強くなった」と評する。志賀葵も昨年11月の欧州遠征での試合を挙げて「当たり負けをするような場面は減った」と手応えを感じている。
 DFとしての守りだけでなく、的確な状況判断から繰り出される前線へのパスと力強いシュートで得点に絡むプレーも期待が大きい。「パックを持った後の判断は改善の余地がある。守備では氷に乗っている間は失点をしないことを考えてプレーしたい」と話し、北京でのさらなる飛躍を誓っていた。

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