駒大苫スピードスケート部 男子団体追い抜き初V〔高校総体〕―鮫川(3年)、引地(2年)、船崎(1年)

駒大苫スピードスケート部 男子団体追い抜き初V〔高校総体〕―鮫川(3年)、引地(2年)、船崎(1年)
男子団体追い抜きで活躍した(右から)引地、鮫川、船崎

 駒大苫小牧高校スピードスケート部がこのほど、YSアリーナ八戸=青森県八戸市=で開かれた全国高校総体第71回全国高校スケート・アイスホッケー競技選手権大会のスピードスケート男子団体追い抜きで初優勝した。鮫川友希(3年)=浦河荻伏中卒=、引地朔野(2年)=別海中央中卒=、船崎優太(1年)=中標津広陵中卒=の3人が会心の滑りを披露。鮫川は「優勝は狙っていたが、まさか本当にできるとは」と目を丸くして喜びを表現した。

 同種目には全国10校が出場。3人1組で1周400メートルのリンクを計8周し、走者全員のゴール通過タイムを競った。

 2チーム同時スタートの競技方式で、駒大苫は2組目に出走。最初の200メートルほどを高校総体男子1000メートル銅メダルの鮫川が先頭に立ち勢いづけると、その後は同5000メートル7位入賞の引地、長距離に自信のある船崎が2000メートル以上を交互にけん引した。

 「優太と一緒にいいラップタイムを刻めた」と引地が言えば、船崎は「引地さんのおかげで楽に滑ることができた。とにかく鮫川さんを勝たせてあげたい一心だった」と言う。

 疲労が蓄積してきた2000~2400メートルのラップタイムこそ31秒11と落としたが、最後方で体力を温存していた鮫川が終盤に再び先頭に立つと、残り2周は30秒65、29秒71とペースを上げ4分2秒62でゴール。その後6校が相次いでレースに臨んだが、いずれも超えるタイムは出なかった。

 駒大苫の1位が確定した瞬間、リンク中央付近で固唾をのんで戦況を見守っていた3人は歓喜の輪をつくった。鮫川は「疲れているはずの2人が最後のスパートにしっかり付いてきてくれたのが大きかった」と後輩たちの頑張りをたたえた。

 2010年のカナダ・バンクーバー冬季五輪女子団体追い抜きで銀メダルを獲得した田畑真紀監督の言葉が支えになった。昨年12月の道大会(帯広市)では白樺学園に6秒近くの差をつけられ敗退。「みんな調子が良かった」(鮫川)だけに悔しさは大きかったが、「最後まで諦めない気持ちを忘れないこと」と精神面の助言が3人を奮い立たせた。

 スピードスケート部の主将を担ってきた鮫川は「最後の最後に、後輩たちにキャプテンとしての頼もしい姿を見せることができた」と胸を張る。4月からは日本大に進学し、26年のミラノ・コルティナ冬季五輪(イタリア)出場を目指す構え。後輩たちには「来年は連覇してほしい」とエールを送る。

 春から最上級生となる引地は「日々の練習から率先して1、2年生を引っ張っていきたい」と意気込む。来季から5000メートルと1500メートル2種目を主戦場にする予定の船崎は「最後まで粘れる力を付けていきたい」とさらなる進化を誓った。

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