「見た瞬間びっくりして、すごいと思った」―。苫小牧いずみ幼稚園年長クラスの中川太月(たつき)ちゃん(6)=北光町=が昨年8月に捕まえたアゲハチョウの幼虫が、約6カ月かかって今月1日に羽化した。通常はさなぎになって1週間から10日ほどで羽化するが、太月ちゃんが捕まえた「アゲくん」は半年を要した。今は、広げると6センチほどになる黄色と黒の鮮やかな羽をひらひらさせ、水槽の中を舞っている。
2021年8月上旬、太月ちゃんが家の周りを散歩していた際、外壁に張り付いているアゲハチョウの幼虫を発見、家に持ち帰った。ほどなくして幼虫はさなぎに。太月ちゃんは「幼稚園から帰ってきたらすぐ虫籠に張り付いて、観察していた」と母・千晴さん(34)が語るように、羽化して羽を広げる日を待ちわびていた。
しかし、待てども待てども、その日は来なかった。羽化せず1カ月がたった頃から「死んじゃったかもしれないから外に出してあげよう」と千晴さんが声を掛けても、太月ちゃんは「嫌だ、取っておく」と拒んだという。
1日の朝、ついにその日がやってきた。誰もが「死んでしまった」と諦めていたアゲハチョウが、羽化していた。広いところで飛び回れるように―と、いとこから借りた水槽に移し、中には蜂蜜を吸わせたティッシュとスポンジ、そして自然に近づけるべく切り花を入れている。
太月ちゃんは蜜を吸う姿をじっと見詰めながら「アゲくんが吸ってくれてうれしい」と満面の笑みを浮かべる。同居する祖父の平山光雄さん(71)は「よく世話を焼いている」と温かいまなざしを注ぐ。
太月ちゃんは、気温が上がってきたら外に放すつもりという。「今はまだ寒いから。大きくなったら帰してあげたい」と、アゲくんと共に春を待っている。
















