ハ グ  記者コラム「風」

ハ グ 
記者コラム「風」

 開催中の北京冬季五輪でハグを目にするたび、涙腺が崩壊する。

 日本対フィンランドの女子アイスホッケー準々決勝。試合後、主将の大澤ちほに駆け寄ったのは大勢のフィンランド選手。大澤がスウェーデンリーグ・ルレオに所属していた際の仲間たちだ。

 掛けられた言葉は「日本はいいチームだね」。フィンランドの副主将ミシェル・カルビネンは自身のSNSにこうつづった。「一度仲間になったら、ずっと仲間だよ。ホッケーの最も美しいことの一つ。ちほ大澤」。

 スノーボード男子ハーフパイプでは金メダルの平野歩夢を、過去3大会優勝の伝説ショーン・ホワイトが祝福の抱擁。王者のバトンが託された瞬間だった。

 複雑なシーンもあった。スキージャンプ混合団体。スーツの規定違反で失格し泣き崩れる高梨沙羅を、チームメートの小林陵侑が慰めた。「たくさんハグしてあげました」。アスリートの心を傷つける不可解な出来事は、もう見たくない。(北)

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