苫小牧高専 地中熱利用のZEH研究 寒冷地仕様のヒートポンプ開発目指す 昨年4月から実験重ねる

地中熱などエネルギーシステムをモニタリングする学生

 苫小牧工業高等専門学校(小林幸徳校長)は、エネルギー収支実質ゼロの「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH=ゼッチ)」に関する研究を進めている。再生可能エネルギーの一つである地中熱源を利用した、寒冷地仕様の「地中熱ヒートポンプ」開発が目標。全国の高専を運営する国立高等専門学校機構の事業計画が文部科学省に採択され、昨年4月から実験を重ねている。

 文科省に採択された「高専発!『Society(ソサエティー)5・0型未来技術人財』育成事業」(2021年~23年度)は(1)研究の3分野(マテリアル、介護・医工、防災・減災・防疫)(2)教育活動の4分野(IoT=モノのインターネット、ロボット、AI=人工知能・数理データ、サイバーセキュリティー)から成る。

 このうち苫小牧高専は、防災・減災・防疫分野のエネルギー部門の研究メンバーに選ばれた。テーマは「K―§MARTが拓く超スマート社会の実現に向けた実装技術の開発」。奈良高専を中核拠点校に苫小牧、長岡、米子、都城の4高専が協力校として名を連ねている。

 苫小牧高専が担当する研究内容は、寒冷地における地中熱を生かしたスマートハウス技術。一年中、安定的な温度を保つ地中から熱を吸い上げ、エネルギーを生み出す地中熱ヒートポンプでエネルギーをつくり出したい考えだ。

 現在は、採熱試験装置を使った簡易実験のほか、太陽光集熱器や地中熱制御器、採熱管を備えた学校敷地内に設置した「未来型スマートハウス」で数値シミュレーションを重ねている。

 研究に携わる菊田和重教授(60)は「冬季に膨大な熱エネルギーを消費する寒冷地の北海道は、地中熱を使った熱源の利用が適している」と強調。「地中熱の効率的な採取方法や地中熱ヒートポンプのメカニズムを解明し、3年以内にシステム化しスマートハウスに組み込めるようにしたい」と意気込んでいる。

 政府が温室効果ガス排出を目指す中、新築住宅からの排出量削減は、家庭で使う電力を再生可能エネルギーで賄うZEH住宅をどこまで普及できるかに懸かっているとされる。

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