苫小牧市は、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の候補地に定めた植苗地区で、地権者が追加で実施した調査を基に環境影響調査報告書をまとめた。希少種とされる猛禽(もうきん)類の調査期間を延長した他、ヒグマや春季の植生も新たに調査し、改めて「事業用地を確保できる可能性がある」と当初の結論を補強した。一方で、事業を実施する際には「具体的な改変エリアでさらなる現地調査が必要」と付言した。10日の市議会総合開発特別委員会に報告する。
IRをめぐっては、国への申請権を持つ道の鈴木直道知事が2019年11月、「認定までの限られた期間で環境への適切な配慮を行うことは不可能」と申請を見送った。その理由の一つで「2営巣期分の調査が必要」とされた猛禽類について報告書は、21年8月までに2営巣期分の調査を実施した上で、希少種のオオタカは繁殖を確認したが、「営巣中心域(巣から半径250メートル)を避け、事業用地を確保できる可能性がある」と判断した。
クマゲラは同5月までの調査で営巣は見られず、営巣可能な木で繁殖したとしても「開発エリアから離れており影響はない、または軽微」とした。
環境団体から調査不足と指摘されたヒグマについても同4~11月に調査。カメラを設置した9地点で姿を撮影した他、足跡、ふんなどの痕跡から生息を確認したが、開発で土地が改変されても「生息可能な樹林環境は周辺に広く分布し、大部分は現状の環境が維持される」と分析した。一方で、通り道である高速道路下の「回廊」の確保に向け「専門家の指導の下、複数年の調査を実施していくことが望ましい」としている。
この他、1970年代の空中写真との比較から区域内のハルニレ―ヤチダモ林が、経済林の伐採後、代償植生として成長した可能性が高いことも判明し、「伐採後に自生したものは豊かな森林資源となるよう森林管理を行う」との見解を示した。
市は20年6月にIR候補地を含む植苗地区の環境影響調査結果を公表。地権者は、それ以降も独自に調査を続けていた。
















