北海道栄高校駅伝部の森春樹(3年)=苫小牧明倫中卒=、藤本雄大(同)=北斗上磯中卒=が4月から、関東の駅伝強豪大学に進学する。昨年10月の出雲駅伝を初制覇した東京国際大に進む森は「1年生からレギュラーを勝ち取りたい」。今年1月の箱根駅伝に15年連続出場した帝京大の一員となる藤本は「重要な区間を任されるようなランナーになりたい」と意気込みを語った。
2人は2019年の全国高校駅伝(京都市)出場をはじめ、道内屈指の強さを誇る道栄で1年時から主力として活躍してきた。
森は、長距離ランナーの走力指標となるトラック5000メートルで14分5秒98、1万メートルでは昨年7月の道内記録会で28分44秒97の道高校記録を樹立した全国級の実力を誇る。
東京国際大は今年度、出雲優勝をはじめ全日本大学駅伝、箱根駅伝総合でそれぞれ5位。「雰囲気がよくて練習環境も抜群。駅伝界で一番勢いがある」チームに憧れてきた。主力の大半が3年生以下と来年度も戦力十分。レギュラー争いは当然厳しくなるが、「まずはけがなく練習をこなしていくことが大事」と冷静だ。
「栄に入学したころは、いつか駅伝のメンバーに入れたらいいなくらいに思っていた。充実した3年間だった」と森。廣田陸(2年)=苫小牧和光中=ら後輩たちには「貪欲に練習して、勝ちにこだわってほしい」と期待した。
藤本は、帝京大が各大会で体現するチーム一丸となった粘り強い走りに引かれた。同大には先輩の小野隆一朗(2年)も在籍。「自分より速い全国の同級生たちを、大学に入って追い越したい」と闘志を燃やす。
3年間、切磋琢磨(せっさたくま)してきた森にも負けるつもりはない。「常に上をいく存在。森がいなかったら、今の自分はない」と感謝しつつ、「大学では絶対に勝ちたい。まずは同じスタートラインに立てるように頑張る」と闘志。
昨年は悲願の全国高校総体(7~8月、福井市)男子5000メートル出場権を獲得するも、左足首のけがで棄権。10月の道高校駅伝(北斗市)では1区10キロを担う予定だったが、完治せず出走を見送るなど苦しい1年を送った。それでも「モチベーションの上げ方など、けがをしたからこそ学べたことは多かった」という。
中学まで野球に打ち込んでいたが、「箱根駅伝で走りたい」との強い意志ではるばる道栄の門をたたいた。今では快く送り出してくれた両親が「自分よりも詳しい」大学駅伝ファン。恩返しの4年間を待ち遠しくしている。

















