高木美、オールラウンド総合2位 3大会ぶりVならず 最後に自己新充実の2位 スピードスケート

高木美、オールラウンド総合2位 3大会ぶりVならず 最後に自己新充実の2位 スピードスケート
女子1500メートルで滑走する高木美帆=6日、ノルウェー・ハーマル(時事)

 【ハーマル(ノルウェー)時事】スピードスケートの世界選手権最終日は6日、ノルウェーのハーマルで4種目の総合成績で争うオールラウンド部門の後半2種目が行われ、女子は北京五輪で金1、銀3のメダル4個を獲得した高木美帆(日体大職)が合計159・305点で総合2位となった。3大会ぶり2度目の優勝はならなかった。

 前半首位の高木美は、1500メートルで1分55秒03をマークして1位。総合首位で迎えた最終種目の5000メートルは7分1秒97の4位にとどまり、北京五輪3冠のイレーネ・スハウテン(オランダ)に逆転を許した。高木菜那(日本電産サンキョー)は総合7位、佐藤綾乃(ANA)は8位だった。

 男子は土屋陸が総合6位となり、浦河町出身のウイリアムソン師円(ともに日本電産サンキョー)は12位、大林昌仁(福井県スポーツ協会)は16位。北京五輪2冠のニルス・ファンデルプール(スウェーデン)が制した。

 総合首位で迎えた最後の5000メートル。最終組の高木美は、先に滑った北京五輪女王のスハウテンから6秒差以内でゴールすれば優勝できた。安定した滑りで粘ったものの、残り1200メートルの通過タイムで差が6秒よりも広がり、逃げ切れなかった。

 ゴール直後こそ悔しそうに舌を出したが、その後はすがすがしい表情で観客に手を振った。最終種目で誇るべき自己ベストを出し、総合2位。「戦い切った。一番は取れなかったけど、最後まで頑張ったなって褒めてあげたい」。全力を尽くした充実感があふれた。

 五輪で5種目に挑み、金、銀計4個のメダルを獲得。心身ともに疲弊した中、長距離種目の強化に力を注いだ成果を発揮した。その一方で、得意の短距離種目で思うように体が動かず、ライバルを引き離せなかった。「今の体の限界なのかな。最後まで諦めなかった」。今大会に至る過程とレースに悔いはない。

 大会前はモチベーションが上がらず、不安を抱えていた。それでも、滑り始めると「この大会はやっぱり面白い。レースって楽しい」と思えた。今後の目標を考える余裕はなくても、競技の魅力や奥深さを改めて実感した2日間になった。

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