これまでに道内での目立った被害情報は入っていないが、心配で眠れなかった人も多かったのではないか。
16日夜中、宮城県と福島県で震度6強の揺れを観測する地震があった。両県の沿岸に津波注意報が発表されたが、17日午前5時にすべて解除された。まずは東日本大震災の時のような大津波に至らず安堵(あんど)している。ただ東北では多数のけが人が出て死者も発生。関東圏を含む広い範囲で停電が起きた。暗く、寒い中での避難は恐怖と不安でいっぱいだったと思う。
「人家が2棟倒壊しているのが肉眼で見える」「断続的に弱い揺れが来ている」「夜なのにカラスが飛び回っている」。ネット上では、全国の人たちが朝までリアルタイムで生々しく各地の様子を伝えた。
苫小牧にいても、すぐに遠くで大きな地震が起きたことが分かった。地鳴りのような音、緩く長い揺れ。3・11の記憶がいやが応でもよみがえる。津波は一瞬でたくさんの命を奪う。無事を祈ることしかできず、気持ちがつらくなった。近年この時期になぜか大きな地震がある。あの日を忘れるなと言わんばかりに。気象庁は、揺れの強かった地域では、今後1週間程度は最大震度6強程度の揺れに警戒するよう呼び掛けている。まだ気は抜けない。大震災から11年を迎えたばかりの東北を襲った激しい揺れは、われわれに自然が容赦ないことを改めて思い知らせた。(輝)









