指定から55年 樽前山溶岩ドーム(道天然記念物)と勇払の三角基点(道 史跡)

樽前山溶岩円頂丘

 北海道指定天然記念物の樽前山溶岩円頂丘(通称溶岩ドーム)と道指定史跡の開拓使三角測量勇払基点(苫小牧市勇払)は17日、それぞれ指定から55年を迎えた。共に地域を代表する文化遺産、史跡で、地元の市民団体や測量関係者は「節目を歴史を振り返る機会にしてほしい」と呼び掛ける。

 現在の溶岩ドームは、1909年に形成された。独特のシルエットは麓で暮らす市民にとって郷土の象徴。版画家の一原有徳(1910年~2010年)や本間武男(1929年~2006年)、画家の坂本直行(1906年~82年)ら美術家が画題とするなど、長く愛されてきた地元の原風景だ。

 5月に30周年を迎える市民団体「樽前山を語る会」の事務局長渋谷博さん(71)は「唯一無二のフォルムを持つ山を見ると勇気が湧いてくる。これからも市民の宝物として大切にすべき」と語る。

 開拓使三角測量勇払基点は、1873年に設置された近代地図作成の原点となる30・3センチの立方体の石柱。1962年6月、苫小牧勇払中の近くで発見され現在は勇払ふるさと公園の一角に整備された三角測量勇払基点緑地内のガラスケース内で保護されている。

 基点は三角測量法を用いた精密な地図作りのベースとなるもの。三角測量法は基準となる直線(基線)と両端の基点を設け、三角形の原理を使って離れた場所までの距離、位置を測定する米国式の測量技術だ。

 勇払基点は勇払―鵡川間の14・86キロの西端。米国人技師J・R・ワッソンが1873年に勇払と鵡川に基点の目印となる標石を立て、三角測量を始めた。翌年、ワッソンが米国陸軍省に転じたため、助手のモルレー・エス・デーが事業を本格的に継承。4年間にわたり道内沿岸部の測量を担い、北海道地図作成につなげた。

 市内の測量会社タナカコンサルタント(新開町)の代表顧問田中稔さん(82)は「勇払基点は北海道開拓やあらゆる産業の原点。同じ技術者としてロマンを感じる」と話す。

 東端の鵡川基点はいまだ見つかっておらず、田中さんは1977年から調査活動を継続。「測量は開拓の夜明けとなった大事業で、こうした節目を歴史を振り返る機会にしてほしい」と語る。

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