反省

反省

 16日の午後11時36分、福島県沖を震源に発生した震度6強の地震に考えさせられた。全国的には東北新幹線の脱線が注目を集めている。

 幸い減速中の事故。もし高速走行中だったり、停車位置が海底下のトンネル内だったらと想像するとゾッとする。何の根拠もないのに、災害の発生や避難を何となく自分が行動しやすい時間帯に合わせて考えている気がする。11年前、東日本大震災を引き起こした地震の発生時刻は午後2時46分。しかし阪神淡路大震災は午前5時46分。胆振東部地震は午前3時7分。16日の震度6強を含めて、ばらばらだ。深夜の揺れは無意識に芽生えている油断に地震や津波が警告を発したともいえそうだ。

 昨年12月、内閣府が公表した日本海溝を震源とする大地震と津波の被害予測は大きな警鐘になった。東北沖から日高沿岸にかけての日本海溝で、真冬の深夜に最大級の地震が発生した場合、北海道と東北で津波だけで19万9000人の死者が想定されるそうだ。積雪や寒さで避難しにくい時間。普段元気な人でも行動が鈍るかもしれない。

 16日は長い揺れで目覚め枕元のラジオのスイッチを入れた。南相馬という地名が聞こえ、津波注意報も東北の県名だけ。取りあえず切迫した危険のないことは確認した。もし北海道の太平洋岸への警報だったら―。反省や後悔は山ほどある。被害は事前の備えや訓練で8割、減らすことができるそうだ。地震も津波も、いつでも来る。(水)

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