CCUS拠点化実証事業 前年度比36%増の82億円

CCUS拠点化実証事業 前年度比36%増の82億円

 政府の2022年度予算が成立し、国が苫小牧市などで進める二酸化炭素(CO2)を回収、有効利用、貯留する「CCUS」の拠点化実証事業に前年度当初比約36%増の82億3000万円が充てられる。CCUSとしては世界初の試みとなる液化CO2の船舶長距離輸送を24年度にも計画する中、国の積極的な予算化に市内関係者は歓迎の声を上げている。

 液化CO2の船舶輸送は現在、中温・中圧(氷点下20度、圧力2メガパスカル)条件の小規模船舶があるが、同事業で計画しているのは大容量の長距離輸送。京都府舞鶴市の石炭火力発電所で排出されるCO2を液化し、約1000キロ離れた苫小牧に船舶で運ぶ。

 輸送するCO2は年間1万トン規模、1000トン級の輸送船で運航10回ほどを考えている。大量輸送を可能にするため、低温・低圧(氷点下50度、圧力0・6メガパスカル)条件で輸送する技術の開発を進めるもので、22年度はこうした研究や開発事業を加速させる。

 また、苫小牧で受け入れ基地を新設するため、21年度は実現可能性調査を進めてきたが、22年度から実施設計、設備の整備へと具体化する。北電苫小牧発電所(苫小牧市真砂町)を最有力候補地としている。

 加速する国家的プロジェクトに、市港湾・企業振興課は「国と連携しながら新たな産業を呼び込みたい」と地域経済の発展や雇用創出につながることを期待。苫小牧商工会議所も「苫小牧のポテンシャルが認められた。地元企業にとっても好機」と歓迎する。

 同事業は21~26年度に経済産業省が長期展開し、液化CO2の船舶輸送が目玉。国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が受託し、さらに日本CCS調査(東京)など大手4企業・団体が共同受託している。

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