苫小牧市では2021年度、認知症の人や家族を地域で支える「認知症サポーター」が約1700人誕生した。サポーター数は06年度に養成事業が始まってから累計約2万8600人となり、22年度内の3万人到達も見えてきた。超高齢社会を迎え、安心して暮らし続けられる地域づくりの輪は着実に広がっている。
認知症サポーター養成事業は、認知症に関する知識の普及、住民相互の支え合いの輪を広げることが狙い。厚生労働省の提唱で進められ、全国のサポーター数は1300万人を超えている。
市内では06年度以降、苫小牧キャラバン・メイト連絡会(事務局苫小牧市)が主体となって企業や町内会、市民団体、介護事業所、医療機関などで講座を展開してきた。小中学校にも講師が出向き、子ども向けのキッズサポーター養成講座を積極的に開いてきた。
地道な取り組みが功を奏し、年間1000~2000人台の認知症サポーターが誕生。19年度は過去最多の3359人を養成した。新型コロナウイルス流行下の20年度も例年並みの61回講座を開き、約2580人をサポーター認定した。
21年度は、同じ人が講座を受けても新規サポーターとして重複カウントされないよう集計方法を見直した結果、同年度の新規サポーター数は1729人で、累計は2万8661人となった。
市は講座内容の充実へ同年度、使用するテキストを変更。従来は全国キャラバン・メイト連絡会が発行した全国共通のものを使っていたが、より身近な中身に―とオリジナルテキストを作成した。市内の認知症カフェの情報や認知症高齢者が行方不明となった際の捜索システムなど市独自の取り組みや制度なども盛り込み、丁寧に説明している。
市介護福祉課の担当者は「『自分はどんな手助けが可能か』と、前向きに考えてもらえるような講座にしたかった」と語る。
このほど、苫小牧豊川小の5年生対象の「キッズサポーター養成講座」を受けた松島良樹さん(11)は「認知症という言葉は知っていたけど、どうサポートすればいいかは分からなかった。相手の言っていることを否定してはいけないことなどを学べてよかった」と話した。
市は新年度も養成事業を推進し、年度内の累計3万人到達を目指す。担当者は「地域の集まりや職場などにも講師は出向く。少人数でもいいので気軽に声を掛けてほしい」とアピールしている。
















