第94回米アカデミー賞で、濱口竜介監督の「ドライブ・マイ・カー」が28日、国際長編映画賞を受賞したことを受け、苫小牧市内でも作品への関心が高まっている。市内唯一の上映館、ディノスシネマズ苫小牧(柳町)には受賞後、問い合わせが急増。現在の1日1回上映を来月1日から、同3回に拡大することを決めた。
映画は妻を亡くし、喪失感を抱える舞台俳優で演出家の男性が主人公。寡黙な運転手の女性と出会い、対話する中で自身を見詰め直す姿を描く。クライマックスのシーンは、赤平市でロケが行われた。日本映画の同賞受賞は2009年(当時は外国語映画賞)の「おくりびと」(滝田洋二郎監督)以来。
ディノスシネマズ苫小牧では、2月11日に上映をスタート。28日に鑑賞した白老町の佐々木孝尚さん(77)は「難しいシーンもあったが雰囲気が良くて引き込まれ、約3時間の上映時間も長くは感じなかった。アカデミー賞を取るだけの価値のある映画だと思った」と満足そうだった。
受賞翌日の29日は、午前9時55分からの上映に約50人が来場。杉保智支配人は「これまでも1回平均で20~30人は来ていたが、一気に増えた」と驚く。
本作はすでにDVD化され、レンタル店での貸し出しも始まったが、受賞後は上映スケジュールの照会や「ぜひ映画館で見たい」といった声が計50件以上寄せられており、1日の上映回数を3回に増やすほか、スクリーンも50席多い144席に移すことを決めた。
このほか、市内で本作を扱うDVDレンタル店はアカデミー賞効果をにらんで、新たな売り場展開を検討中。原作の同名小説を収録した村上春樹さんの短編小説集「女のいない男たち」はすでに文庫化されており、しんどう書店本店(新富町)は「女性を中心に手に取っていく。受賞効果で興味を持つ人がさらに増えるのでは」と期待を寄せる。
一方、シネマトーラス(本町)は本作が受賞を逃した作品賞に輝いた「コーダ あいのうた」のアンコール上映を準備している。
















