成人年齢引き下げ 苫小牧でも4月1日 3000人が大人の仲間入り 「実感湧かない」「分別ある大人に」

成人年齢引き下げ 苫小牧でも4月1日 3000人が大人の仲間入り 「実感湧かない」「分別ある大人に」

 民法改正によって4月1日、成人年齢が18歳に引き下げられる。時代の大きな転換期に、苫小牧市内の新成人からは「実感が湧かない」「分別のある大人になりたい」など、さまざまな声が上がる。一方、親の同意がなくても契約などができるようになることから、悪徳商法などに巻き込まれる危険性も指摘されている。

 国は若者の積極的な社会参加を促すため、1876(明治9)年の大政官布告以来、約140年ぶりに成年年齢の定義を変更。現在18、19歳の人は4月1日から、17歳以下の人は18歳の誕生日から成人となる。

 市内では18、19歳の計約3000人が4月1日、大人の仲間入りをする。苫小牧工業高等専門学校3年の今優花さん(18)=柏木町=は「自分の意思で自由に決められることが増える分、責任も伴う。よく考えて行動できる、分別ある大人を目指す」と話す。

 北洋大学1年の坂本准之介さん(19)=豊川町=は「大人であるという自覚を持ち、人にやさしく自分に厳しく、自信を持てる人になりたい」と決意する。

 今春高校を卒業したばかりで新成人となる人も。菓子やパンの製造販売を手掛ける三星に入社し、新社会人となった沖本一真さん(18)=ときわ町=は「成人の実感はあまりないけど、周りから頼られる人になって、1人でケーキが作れるまで成長したい」と笑顔。同様に同社で販売員を務める原田綾乃さん(17)=沼ノ端=は「学生の時と違って精神的にも経済的にも自立しなければ。まずは仕事に慣れたい」と意気込む。

 一方、飲酒や喫煙ができる年齢は従来通り20歳から。市の成人式も対象年齢を変えず、23年以降も20歳とする考えだ。

 この点について、苫小牧南高校を卒業し、4月から釧路市の大学に通う溝渕亜美さん(18)は「18、19歳は成人していても子どもと大人の中間層のような扱い」と受け止める。「この年代が大人の自覚と、積極的に社会に関わろうとする意識を持つためには、学校などでの教育が重要になってくるのでは」と語った。

 18歳の次男が今月、苫小牧東高校を卒業した三浦芳裕さん(54)=川沿町=も「子どもが成人することは子育ての一つの区切りであることは確かだけど、親としてはあまり実感がわかない」と話す。

 北洋大学国際文化学部の山田利一特任教授(72)は「欧米諸国と比較し、日本は子どもの精神的な自立が遅いように思う。成人年齢引き下げは、若者が親離れをし、社会全体を考えられるような大人になるためのいい機会」と前向きに評価する。

 18歳で成人となることのリスクを指摘するのは消費者トラブルを扱う機関だ。親の同意なしでクレジットカードやローン、携帯電話などの契約を行えるようになると同時に、親の同意がない契約を原則取り消すことができる未成年者取消権の対象から外れる。市消費者センターの鈴木一彦所長(50)は「未成年者取消権で保護されない新成人を狙った悪質業者が増えるはず。不安に思ったら、人生経験豊かな人やわれわれに相談してほしい」と呼び掛ける。

18歳からできること

○親の同意がなくても契約できる

 ・ローンを組む

 ・クレジットカードを作る

 ・携帯電話の契約

 ・アパートなど部屋を借りる

○性同一性障害者の性別変更請求

○帰化、国籍の選択

○10年有効のパスポートの取得

○国家資格の取得 公認会計士、司法書士、医師免許など

○結婚=男女とも18歳(これまで女性16歳、男性18歳)

○普通自動車免許の取得=これまで通り

20歳にならないとできないこと=これまで通り

○飲酒

○喫煙

○公営ギャンブル 競馬、競輪、競艇、オートレース

○大型・中型自動車運転免許の取得

関連記事

最新記事

ランキング

一覧を見る

紙面ビューワー

紙面ビューワー画面

レッドイーグルス

一覧を見る