読者投稿

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 4月1日は新しい年度の始まり。学校の進級や入学はもう少し先になるが、企業の中にはこの日から新しい仲間が加わり、新たなスタートを切ったところも多いはず。戸惑いや不安を抱えながらも、前向きな覚悟を持って仕事に向き合う社員を応援したい。春らしい光景が広がる。

 新年度は別れを乗り越えて迎える季節でもある。2月下旬の本紙のおくやみ欄に97歳の読者の方の訃報が載った。鎌田チヨさん。社内では、読者の一人というよりも、大切な投稿者として名前が知られている。月に1回、本紙では「題」を決めてそれにまつわる記事を一般の方から募集をしている。この読者ぷらざに鎌田さんは十年以上も毎月、記事を寄せていただいた。

 遺稿になったのは昨年11月の「大自然の冒険遊び」。担当者いわく「年齢を感じさせないしっかりした」文章が届いていた。訃報に接し、とても残念な思いをしていたが、こうした思いは社員だけはなかった。一般の読者から鎌田さんへの感謝を表す投稿が相次いだ。しかも、それを読んだ娘さんからもお礼の文章が届いた。

 読者から記事への反応はよくあるが、鎌田さんのようなケースは長い記者生活でも初めてのことだ。90歳を超えても筆が緩まなかった文章は、多くの読者の心に響いていた。新聞は記者が書く記事ばかりではなく、こうした投稿にも支えられている。鎌田さんに改めてお礼を言いたい。(昭)

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