苫小牧市の桜坂町町内会は相次ぐエゾシカの出没に苦慮し、事故や食害を防ぐため独自の対策に乗り出した。市にも相談し、シカを驚かす効果を狙ったライトを並べたり、飛び出し防止用のネット柵を設置したりと、試行錯誤しながら有効な方法を探っている。
シカ対策は、桜坂町内を通る桜坂中央通沿いで展開中。糸井3号道と交わる丁字路から住宅地までの約400メートルの周囲が山林で、シカが頻繁に道路を行き交い、「危ない」と車で通る住民から苦情が増えたためだ。
2016年度の市のまちかどミーティングで町内会としてシカ対策を取り上げ、市は道路管理者の立場から相談に応じている。市の協力で17年度から、坂の入り口付近の市有地に赤く点滅するライトを取り付けた工事用鉄杭を数本設置し、「エゾシカ対策試験中」の札を垂らした。太陽光電池を使っているため、今も稼働している。
さらに、昨年の春先から町内会で骨組みも含め資材を約4万円で購入し、ネット柵を役員自ら手分けして取り付けた。菅原隆会長(71)は「年中シカがいて、自宅の庭木も被害に遭った」といい、「ネット柵にシカがぶつかった痕跡があるので、一定の効果があったのではないか」と推測する。雪解け後にはゆがんだネットを直し、改めて設置する予定という。
市環境生活課によると、シカに関連する21年度の通報は約350件に上り、20年度の170件の2倍以上に達している。同課は昨年度から防獣ライトの貸し出しを始め、これまでに3件の利用があった。あくまで効果的な対策の検証に役立ててもらうのが目的で、貸し出し期間は最大約1カ月に限られる。同課は「利用者にはアンケートに協力してもらい、市としても実効性ある対策を考えていきたい」としている。



















