苫小牧市錦岡在住の美術家是恒(これつね)さくらさん(36)らが、2021年に立ち上げた「タルマイ浜編集部」のフリーペーパー「Carta Cetacea(カルタ・シテイシャ)くじらじまの海図」は先月、第3号が完成し、3月から市美術博物館などで配布されている。クジラと地域のつながりを伝える内容で、市内でクジラの骨がまつられていた歴史などを紹介している。
クジラと土地との関わりを国内外で調査しながら制作活動を続ける是恒さん。同館で1月15日~3月13日に開かれた企画展「NITTAN ART FILE 4:土地の記憶~結晶化する表象」では、クジラの骨をかたどった刺しゅう作品「鯨寄る浜」などを出品した。
フリーペーパーは、同展開催に合わせて発行。是恒さんが地元のアーティスト集団「樽前arty+(アーティープラス)」や同館の学芸員らに声掛けし、有志で同編集部を立ち上げた。
A4判カラーで昨年の10月に第1号、12月に第2号を発行。イワシの豊漁をもたらす存在として、市内弁天でクジラの骨がまつられていた歴史をひもとく連載などを展開してきた。市内の砂浜に打ち上げられたマッコウクジラや、クジラの名が付いた石狩の集落に関する調査についても掲載した。
第3号は全15ページで、企画展の内容や樽前から勇払まで幅広い地域で行われたイワシ漁業の様子、クジラの食文化などを紹介。是恒さんが手掛けた表紙は、1~3号までをつなげると青森県北部~北海道南部の形が現れる。同館や市立中央図書館、勇武津資料館などで配布しているほか、是恒さんのホームページでも閲覧できる。
次回発行は未定だが調査、取材活動は継続中という。是恒さんは「苫小牧の見慣れた町には、実はクジラが深く関わっていることを知ってもらえれば」と話している。
















