燃料高騰 多方面に打撃 苫小牧市内の各産業からため息 先行き不透明 物流業は値上げを検討

燃料高騰 多方面に打撃 苫小牧市内の各産業からため息 先行き不透明 物流業は値上げを検討
原油高でガソリン価格が高止まりし、経済活動にも影響が広がっている

 ウクライナ情勢の緊迫化に伴う原油高は、地方経済にも大きな影響を与えている。ガソリンや重油など石油製品の値上がりで苫小牧地方の運輸業、ホテル業、1次産業など幅広い業界で燃料コストが上昇。追い打ちを掛けるように電気料金も上がり、経営を圧迫している。

 トラックの燃料に使う軽油の価格高騰を受け、胆振日高地方の運輸業者でつくる室蘭地区トラック協会の三上慈誉会長は「各社で経営努力をしているが、限界に来ている」と危機感を強める。北海道トラック協会の調査によると、日胆のガソリンスタンドで扱う軽油の平均価格は2月末時点で1リットル当たり126・24円。前年同月の99・43円から26・9%増となり、その後も高値が続いている。

 苫小牧市の岩倉海陸運輸の社長を務める三上会長は「ドライバーの定着を図るための経費上昇も考えると、荷主に値上げをお願いしないといけない」と話す。

 宿泊業も苦慮する。同市表町のホテル杉田は、ボイラーなどに使用する重油の値上がりに頭を痛める。20年5月に1リットル50円台だった価格は、今年3月に100円近くになり、2年近くで2倍も高くなったという。佐藤聰代表は「宿泊料金への価格転嫁も検討しなければ。原油高対策の政府の補助金が途切れたら、燃料価格はさらに上がってしまうのでは」と心配する。

 燃料高騰は1次産業にも打撃を与えている。苫小牧漁業協同組合の漁業者らも厳しい経営に頭を抱える。海の環境変化の影響からか、主要魚種の秋サケやスケトウダラなどの漁獲量が近年、低迷しているのに加え、漁船に使う燃料の重油価格が原油高により右肩上がりで上昇。新型コロナの感染流行に伴う生鮮食品需要の落ち込みが追い打ちを掛け、漁協の担当者は「漁網など資材も値上がりが続き、ダメージは大きい。何重苦の状況だが、辛抱するしかない」とため息をつく。

 農業分野にも暗い影を落としている。とまこまい広域農業協同組合によると、中でも酪農や畜産業への影響が甚大という。例えば酪農の場合、牧場から乳製品メーカーの工場へ生乳を運ぶトラック運賃が今年度、生乳1リットル当たり約3円と一気に20%も上がった。運賃は生産者の負担となるため、農協の担当者は「農家の経営を直撃する」と懸念。穀物価格や運賃の上昇で、酪農経費の半分を占める牛の餌代も「1年前に比べて15~10%高くなった」と言い、表情を曇らせる。

 ボイラーや装置の運転で重油、ガスを多く使うクリーニング業界も原油高に苦しむ。市内の業者は「燃料にガスを使用しているが、原油価格の上昇に連動するように料金が上がり続けている。既に以前の1・5倍ほど高くなってしまった」と言い、原油高を招くウクライナ情勢の先行きが見えない中、不安を募らせる。

 公共施設の電気料金にも影響を及ぼしている。市は21年度に新電力事業者と契約し、電気料は20年度より安い価格で推移したが、昨年9月から前年度より高い水準になった。市総務課は「昨年10月以降、前年度より20万円ほど高くなった月もある」と説明する。

 石油情報センター(東京)によると、道内のレギュラーガソリン1リットル当たりの価格は昨年10月に160円を突破し、さらに今年2月以降170円台で推移。直近の3月28日時点では173・4円だった。苫小牧地方石油業協同組合の池田光美事務局長は「ウクライナ情勢や産油国の思惑などで、石油製品価格の先行きは不透明」と話した。

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