道は今月から、札幌市中央区の道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎)の大規模改修工事に本格的に着手した。昨夏の東京五輪でマラソンコースに指定されたため当初計画より約2年ずれ込み、完成は2025年2月の予定。工事期間中、「素屋根」(すやね)と呼ばれるシートで建物全体が覆われるが、観光客にも配慮して仮設見学施設を設け今年10月から一般公開する。
赤れんが庁舎は1888(明治21)年に創建。1909(同42)年に火災により全焼したが、11(同44)年に火災復旧工事を実施。68(昭和43)年に復元改修工事を行い、現在の姿になった。
ただ、復元から半世紀以上が経過し、建物の内部、外部とも劣化が進行。道では2012年から調査や計画策定、基本設計を行い、19年から準備工事に着手。五輪での中断を挟み今月、大規模改修工事を本格的にスタートさせた。総工費は42億8000万円。
これまでの準備工事では、庁舎周囲の樹木の移植や伐採、外部の埋設配管の更新作業を実施。見えない部分の詳細な構造や劣化状況を把握するため、建物を部分的に解体して調査も行った。調査の結果、「建物の一部に基礎がないことが判明したため、重要文化財に与える影響が最小限となるよう、れんがの一部を鉄筋コンクリートに置き換えを検討している」(総務部)。
今後の工事は▽保存修理▽耐震改修▽公開活用▽仮設―の4点が中心となる。
「保存修理」では、屋根のふき替えや壁の欠損部の修復、内装材の張り替えを実施。「耐震改修」では、れんが壁に鋼材を挿入し、建物全体の耐震性を向上させる。「公開活用」では、老朽化する各種設備機器の更新や省エネ化、バリアフリー化にも着手する。
「仮設」では、赤れんが庁舎を雨、風から保護するため「素屋根」と呼ばれる仮設の屋根を設置。高さ30メートルのシートで建物全体を覆い、シートには赤れんが庁舎の外観を転写し、長期にわたる工事期間中の景観に配慮する。また、工事の様子を間近に見学できる仮設の施設も設け、赤れんが庁舎の歴史や工事内容を紹介。施設の内部にはシンボルの「八角塔」の屋根部分を一時的に移設する。仮設見学施設は10月から一般公開される。
道は「半世紀ぶりの大規模改修。より魅力的な施設として生まれ変わらせたい」としている。
















