新年度

新年度

 年度替わりの4月は多様な決め事が変わったり、新しくなったりする。この春は、成人年齢が引き下げになった。20歳に決めたのは明治だから、幾つもの時代を超えての変更。2018年に民法の一部改正が成立し、1日付で施行された。それ以前に公職選挙法が改正されて選挙権年齢が18歳になっており、政府は以前から成人年齢を引き下げる環境づくりを進めていた。外国ではむしろ18歳成年が主流という。

 自分の意思で物事を決定し、社会参加する。確かに自主自立の意志があれば選択の幅も可能性も広がる。といって18歳からは一切合切で自己責任としては社会側の責任放棄にもなる。行政、学校、家庭で当事者の理解を促すことが必要。未成年者の取消権対象外になるため、悪意のある金融や契約などのトラブルに遭う懸念もある。消費者教育や啓発を繰り返したい。

 併せて少年法の改正で18、19歳は「特定少年」となり、刑事裁判の対象が拡大された。検察官に逆送致されて起訴された場合は実名報道もあり得る。本紙など報道機関も都度、難しい判断が求められることになる。

 暮らしに目を向ければこの春、多方面で商品や料金の値上げが相次いでいる。昨年来ガソリンや灯油が高騰しているところに食用油、小麦、調味料などの値上げが発表された。景気が良くなっての値上げではないだけに生活防衛のレベルも上がる。

 サクラのつぼみが膨らむ。季節の趣で上を向く。(司)

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