供給確保も価格高騰懸念 市内企業は動向注視 ロシア産石炭の輸入禁止 調達先切り替え余儀なく

供給確保も価格高騰懸念 市内企業は動向注視 ロシア産石炭の輸入禁止 調達先切り替え余儀なく

 ロシアのウクライナ侵攻に対する政府の追加制裁で、ロシア産石炭の輸入の段階的削減と最終的な禁止の方針が打ち出され、石炭を発電燃料などに使う苫小牧市や近郊の企業が影響を懸念している。ロシア炭の取り扱い量は限定的で、供給面で大きな支障は出ない見通しではあるものの、石炭価格の急騰といった不安材料もある。市内にはロシア炭を中心に取り扱う輸入業者もあり、他国産への調達切り替えを余儀なくされそうだ。

 苫小牧市晴海町に貯炭場を構え、海外炭を輸入する北海道炭礦(たんこう)汽船(東京)は、取り扱いの約8割がロシア炭で、道内外の企業に供給している。

 現時点で石炭供給が滞るといった影響は出ていないが、ロシア炭は燃料調達の多様化などの観点から需要が高かっただけに、同社は「当然、影響はある。他国産へのシフトを考えることになるだろう」と言う。他国産の供給力が十分にあるか、取引先が希望する量を仕入れることができるかなど不安を抱え、政府の発表を受けて今後、調達に関する検討を急ぐ方針だ。

 北海道電力の苫東厚真発電所(厚真町)は、石炭火力で道内最大の4号機(出力70万キロワット)などに主にオーストラリア炭を使っているが、ロシア炭も一部で採用している。同社は「今年度分の石炭確保はすでにめどが立っている」と今のところ支障はないことを強調する。しかし、ウクライナ情勢の深刻化を念頭に「電力を安定供給するため、調達先を多様化したり、スポット契約を増やしたりと、柔軟な対応を考える。市況と国の動きを見て対応していきたい」と説明する。

 王子製紙苫小牧工場(苫小牧市王子町)も複数の輸入業者を通して石炭を調達しているため、「供給が滞ることはない」と冷静に受け止めるが、「ロシアのウクライナ侵攻が始まる前から、燃料価格の高騰が続いている」と指摘。世界各国による燃料の調達先変更で、市場価格がさらに上昇しないか、その動向を注視している。

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